2歳を過ぎ、2歳半に近づいて成長してきた子ども達は、大人と同じように朝・昼・晩の3回の食事時間となり、午睡時間を除けばほとんど大人の生活に近づきます。何でも大人と同じように過ごしたいと自分の気持ちを主張するので、子どもが望むからと、お父さんの帰宅時間に合わせて夕食が遅くなるご家庭も多いようです。夜の入眠が11時を過ぎるお子さんもいるという統計を、新聞で見たことがあります。

確かに毎日の夕食時間に、お父さんが一緒であるかそうでないかと考えれば、お父さんが一緒の方がどんなにか楽しいことでしょう。お母さんも夕食のつくり甲斐が出るというものです。忙しく働くお父さんにとっても一家団欒の時間は、どんなに幸せなことでしょう。以前ご相談に来られた方で、お子さんが小さいうちは、夜が遅いと翌朝起きるのも遅くなり、大人もゆっくり眠っていられるからと、割り切って帰りの遅いお父さんを毎日待って夜型の生活リズムで過ごされているご家庭のお話を伺ったことがありました。けれどご相談の内容は就寝リズムばかりでなく、「少食」について悩まれているようでした。

その際、お子さんの少食の原因は勿論体質的なことはあると思うが、入眠時間が遅いことにより、夜の9時から12時位までの時間帯に眠ることで活発にでる成長ホルモンが働いてくれないと言うことも原因ではないかと話しました。しばらくしてまたお話しする機会があった時に、「父親との遊ぶ時間は週末にまとめるようにして、普段は出来るだけ9時前には寝かせようと努力していますが、なかなか思い通りにならなくて・・・」と話しておられました。そして、お子さんの少食は体質的なこともあり、それほど改善はされていないようでしたが、「とにかく毎日外遊びに出たがるようになった」と話されていました。

この年齢でしたら、外遊びに出たがるようになったということはすばらしい変化です。外で遊んでおなかが空けば、必ず食事量も増えていくものです。そしてお昼寝の時間もできるだけ3時頃に起きられるような時間帯にしていけば、だんだんと夜9時前後の入眠に持ち込めるのではないでしょうか。子ども達にとっての食事・睡眠には、昼間の活動量が大きな影響を及ぼすのです。

子ども達の生活リズムというものは、一見、大人の都合でどうとでもなるところがあり、大人中心の生活に子どもを従わせがちです。また、生活リズムによって変化する「子どもの生命力」も、目に見えないうえに、子どもごとに大きな幅があるものなので、生活リズムが子どもの成長に大きな影響があるということを、実感しづらいかもしれません。しかし、私たちの保育園に通う子ども達の例をとってみても、午前中の活動に集中できず、いらいらしている子ども達は、大半が前夜の睡眠不足のため朝食を食べたくなくて登園してくる子ども達です。このような夜型のリズムが4・5歳の幼児期まで続くと、小学校に入学するからといって、そうそうは改善されなくなってしまいます。しかし実際に小学校の成績優秀児童の大半は、朝食を充分に食べている子どもであったという、何とも現実的な調査発表を見たときに、「なるほど」と感心したことがありました。子どもの生活リズムを整えてあげる事は、快適に寝る事、食べる事に直結し、その結果、子どもの集中力や達成力といった成長と密接に関係しているのだと思います。

お子さんにとっての生活リズムを整えていくことは、食事時間を一定にしていくことから始まると思うのですが、目の離せないお子さん達を見ながら、食事の準備をされるお母さん方は、本当に大変なことだろうと思います。私自身、1歳5ヶ月違いの二人の娘を育てていた頃、どのように食事の準備をしていたかを思い出すと、それはそれは大変なことでした。大抵の日は、子ども達が寝入ってから、翌日の下ごしらえのようなことをしていたことを思い出します。例えば野菜は洗ってすぐに使えるように刻んでおくとか、たまねぎやひき肉を沢山いためておいて、すぐにオムレツやチャーハンが作れるようにとか、何かと工夫しては、子ども達の食事の仕度はできるだけ短時間で済ませるようにしていました。冬などは、煮物やスープを沢山こしらえて、何日も同じものを食べていましたが・・・。

お子さんにとっての生活リズムを考える時、大人が生活の中でどのような優先順位をつけていくかを、生活を共にされている家族の方々と充分に話し合って欲しいと思います。お子さんにとって最も健康的に過ごせるご家庭のリズム作りは、短期的には手のかかることに思えても、長期的には子どもたちの最大限の健康的な発達を引き出します。そうした生活が、ご家庭のかけがえのない「家風」となっていくのではないでしょうか。