7ヶ月が過ぎると、それまで手の動きで何とかほふく前進していた赤ちゃんが、足も使って這うことができるようになってきます。手と足を交互に使って這うのですから、その動きは以前よりはるかに早くなってきます。中にはお座りのままお尻で滑るように移動したり、寝転んだまま体をごろごろさせて移動する赤ちゃんもいますが、いずれにしても赤ちゃん自身の意志で体を動かし、目的の物を掴めるようになったのですから、赤ちゃん自身、嬉しくてたまらないことでしょう。程よい空間を作ってさりげなく周囲に玩具を置いてあげると、赤ちゃんは興味を引かれた玩具をつかみに這って行き、熱心に舐めてしばらくは楽しんでくれます。しかし一寸目を離したすきに、とんでもないものを舐めないとも限りません。赤ちゃんが口に入れてはいけない物は、あらかじめどこかにしまっておきましょう。赤ちゃんが這っていって何かをなめるたびに「だめよ、汚いの。だめよ、あぶないの。」と規制してしまうと、折角の赤ちゃんの好奇心・自主性を削いでしまいかねません。赤ちゃんは五感(視・聴・臭・味・触)をフル回転して、様々なものを自分の体感に取り込んでいるのです。これらのことを通して赤ちゃんの感情も日に日に開発され、表情が実に豊かに育っていく時期でもあります。

こうして昼間に起きている時間が長くなり、体をたくさん動かすことで夜には随分まとまって眠ってくれるようなります。けれど、ほっとしていたのも束の間、ある日突然始まる赤ちゃんの夜泣きは、お母さんは勿論、お父さんにとっても大きなストレスで、真剣に悩まれるご家庭が多いようです。昼間はお母さん一人で育児をされているご家庭、あるいは赤ちゃんを託児施設に預け、お母さんが仕事復帰をされているご家庭いずれも、赤ちゃんの離乳食が始められているこの時期、離乳食のことも含めて、夜泣きの原因をあれこれと考え悩んでしまうことでしょう。「自分のあのことがいけなかったのかしら?」「託児施設で何かあったのかしら?託児施設に預けた自分がいけなかったのかしら?」とお母さん自身が自分を責め、悩まれるケースが多いことに、なんとも胸が痛みます。

これから10ヶ月頃までの間がピークと言われ、始まると2~3週間続く“夜泣き”については、医学的なはっきりとした証明はないものの、「赤ちゃんの脳の発達途中の神経のアンバランスが原因らしい」という考えも示されています。昼間の刺激がきっかけにはなるとしても、 夜泣きの原因についてあれこれと悩むと、かえってお母さん自身の辛さが増してしまいます。

この時期、まだ母乳が出ているお母さんは、「とにかく布団に赤ちゃんを引き入れ、だらしないと思ったけど、寝ながら授乳していた」と話されるご家庭が案外多く「ああ、私だけではないのね」と笑い合って話されていたお母さんがおられました。また、「お父さんが思い切って車に乗せてぐるぐる走った」「おんぶで家中を歩いていた」など、対処方法は各ご家庭それぞれですが、中でも「腹をくくって明かりをつけて遊んであげていたら、ぴたっと2週間で泣かなくなった」というケースは、親の方がいらいらせずに過ごせたという意味で、なかなか賢い方法だなと感心しました。夜泣きはいくら一過的なことといっても、昼間の仕事を考えると寝不足でお父さんもお母さんも苛立って、赤ちゃんの夜泣きが原因で夫婦喧嘩に発展したというご家庭もあります。お父さんお母さんのどうにも疲れている方を優先的に寝かしておいて交代制で対応する等、対処方法に関してはお父さんお母さんがお二人で充分に話し合って乗り越えて頂きたいものです。赤ちゃん自身が一番辛いのでしょうから、日頃から、赤ちゃんが安心する歌だとか、遊びなどをお父さんも良く知っておいて、いざと言う時に役立ててください。毎日すやすやと眠った顔しか見ず、抱っこもあまりしたことがないお父さんは、泣いている赤ちゃんが「抱っこされてくれるかどうか・・・?」と一寸びくびくしてしまうかもしれませんが、思い切ってやってみれば案外うまくゆくかもしれませんし、なにより赤ちゃんを抱っこできる絶好のチャンスではありませんか?いつかお子さんが大きく育った時に、「あの時は大変だったな~」といったお父さんの言葉を聞けば、お子さんはお父さんの大きな愛情を感じ取ってくれるに違いありません。