このコーナーでは保育の中で、日々にじのいろ保育園の職員が考えていることを文章にして載せていきます。

今回は、「子育ては大人(親)育て」というテーマで、職員の原稿を掲載します。

『子育ては大人(親)育て』
45歳女性保育士

 大人になって、今さら「育つ」って何?、という言葉が聞かれそうです。私もこの保育という仕事に就く前は、そんなことを思っていませんでした。正確には、私も人の子の親になって気づいたことです。
 女性は子どもを妊娠し出産するということができる不思議な生き物です。私も含め生むことができた人は、それぞれの妊娠出産を体験して子どもを産んでいます。この体験が母性をはぐくみ、子どもを出産した瞬間から子どもを自然と抱き、おっぱいをあげることの喜びを感じることができます。
 しかし、喜びだけではないことがこのあとの生活にあります。夜中の授乳、夜泣き(何をやっても泣きやまない)おむつ替え、赤ちゃんの世話に加え、日常のこと洗濯、掃除、食事作り・・・。仕事に復帰をすれば日中は仕事、あげたらキリがないほどの24時間体制で、休むどころか自分の時間さえなく、めまぐるしい毎日です。正直、自分は何のためにこんなことになっているのだろう?と思うこともあります。
 そんな中、子どもは大人がどんな状況にあっても日々成長をし、その成長の姿が忙しい毎日に幸せをもたらせてくれます。あやしたら屈託のない笑顔で笑う、歩いた、言葉を話した・・・などなど、そんな姿に疲れは癒え、また明日からがんばろうと思います。
 すべての方ではないのですが、女性の社会復帰があたり前の時代となり、子どもは0歳時期から保育園に行きます。自動的に集団生活が始まります。親のいないところで、その子自身の社会生活が始まるのです。決してオーバーなことではなくて、この社会が実は、子どもが育つのはもちろんのこと、親も育つことにつながります。
 まず、保育園に入れるという判断が親の責任のもと決められています。子どもの社会とはいえ、子どもが友達との関わりの中で時に友達を傷つけることがあった場合、その関わりが子どもにとって、立派な社会人になるための土台となります。そこで周りの保育士と親の関わりを見せたり、親として相手の親に謝る姿を見せたり、人間として大切なことを学んでいきます。つまり、親も自分の行動や考え方をしっかり持たなくてはなりませんし、親として迷いつつも、子どもや世間の前では、責任ある姿勢を見せていくことが必要となります。これは、保育園に限らず、家庭にいたとしても、幼稚園や小学校などいずれは子どもを集団の社会に入れるわけですから、親になった人すべてに降りかかることです。よく“大人の背中を見て育つ”といいます。私たち、大人同士の関わりは(嫁姑の関係、保育士との関係、保育園など保護者同士の関係、夫との関係など)自分が自信を持てて、胸を張れる関係でしょうか?大人もこういう関係は安心につながります。この関係を見せられたら、きっと子どもも安心した毎日が送れます。
 妊娠、出産したから親になり始まった子育ては、いつしか子育てをする親(大人)を育てることになっていきます。自分が子どもから大人に成長した時より、不思議と自分が育ったことを実感できます。
いろいろな事情で子どもが産めない、生まれない人もいます。でも、今までお話ししてきたことからも、子どもを社会が育てる、社会の宝として思えたら、すべての子どもは私たちの子どもです。社会で子育てしていくことの大切さが、これからの私たち大人の宿題だと思っています。