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わたしたちが考えていること

このコーナーでは保育の中で、日々大泉にじのいろ保育園の職員が考えていることを文章にして載せていきます。

「自分の両親の子育てについて」
女性保育士 22歳

 私が3歳の頃、父を病気で亡くした。そのため、父がどのように私を育ててくれたのかは分からないが、残された写真を見ると父と私は幸せそうに関わっており、短い時間だったがとても愛されていたと思う。
 母は働きながら私を育ててくれた。母は私を「少し甘やかしすぎたかな」と言うが、私は厳しく育てられてきたと思う。駄菓子屋で使っていい金額は私だけ100円だったし、中学生の時に友だちの門限は延びたが家は変わらなかった。大学生になったばかりの夏、夜中まで友だちと遊んでいたら、母は友だちの前で私を怒って連れ帰った。
 母は芯の通った人だ。そして、人の気持ちを聞いてくれる母は、私の話し相手だった。相談や、楽しいこと辛いこと全てを話してきた。どんな話も私の姿も受け入れてくれるため、私は安心して関わることができた。私は母に「どういう気持ちで育って欲しいと思っているの?」と聞いたことがある。母は「どんなことにも立ち向かっていってほしいな」と言った。私は母のことばを聞いて、きっと一人親で大変だったのだろうと思った。母に「大変だった?」と聞くと、「大変でも楽しいよ」と言ってくれた。私も母との生活は楽しいため、母にことばがとても嬉しかった。
 私の両親は、私を厳しく躾ながら、たくさん誉めてくれたし、期待もしてくれた。また、私の前では格好つけるだけでなく、失敗する姿も見せてくれた。このように関わってもらったため、私は失敗することを恐れず、どのようなことにも挑戦してみようと思っている。母は私の可能性を、いつまでも伸ばしてくれるだろう。
 家庭での関わりは、社会での人との関わりの基盤となるだろう。私に子どもができたら、私は母の育て方を基本としながら、私らしさも加えた育て方をしていきたい。それが、人の愛され、愛した形だと思う。

わたしたちが考えていること

このコーナーでは保育の中で、日々大泉にじのいろ保育園の職員が考えていることを文章にして載せていきます。

新任職員研修会 
主催:社団法人東京都民間保育園協会
日時:平成23年5月24日(火)10:00~17:00
テーマ:社会人としての自覚と働く姿勢を仲間の新任者と共に学びあう
講師:鈴木みゆき氏、蓬生君子氏、菊池政隆氏

 上記の新任職員研修会に参加した職員3名の研修報告書を掲載します。

 

 新任職員研修会から学んだこと     
 女性保育士  22歳

 今回の研修を受けるにあたり、日頃自分は社会人としての自覚を持ち働いているのか省みた。入職してから気付けば2ヵ月が経とうとしているが、毎日学ぶことに精一杯になり、長い目で子ども達の成長を見ることが出来ていなかったのではと気付いた。
 先生方の講義を受講し、知っている「つもり」だった事柄が沢山あった。例えば、遊びにおいても何故同じような活動をするのか、何故午睡をしっかり取る必要があるのか疑問に思うことがあった。しかし「今はそういう時間なのだ」と自己解決し、そのままにしていた部分が、恥ずかしいことであるが多々あった。振り返ると「次は○○の時間だから急がなければ」と時間ばかり気になり、子どもを急かすことも少なくなかった。今回毎日の活動に連続性を持たせる大切さ、生活リズムを整える大切さを学び、日々の保育の中で子どもにも活動の理由をしっかり説明し、促していこうと思えた。無理やりではなく、子どもを尊重し、子どもの為の保育を行うことに意義があるのだと再認識することができた。
 子どもの未来を見通したカリキュラムをたて、日々楽しさの中で成長に気付いていく。そして保育環境を構成する我々職員1人1人がどう成長していくかを追求していくことこそが、社会人としての自覚をもち、働いていく姿勢なのだという考えに至った。

 

 

職員研修参加報告書
女性保育士  23

 

 今回は初めての園外研修に行かせていただきました。1日を通して、様々な先生方からありがたく、ためになるお話を聞かせていただき、とても勉強になりました。

 特に、菊池政隆先生の講義では、手遊びやゲームを交えながら、保育の楽しさややりがいを教えていただきました。先生が大切になさっていたことは「気づき」でした。子どもの思いや発想、成長に気づくこと、また保育士として「こうしてみよう」と気づいて動くことなど、「気づく」ことが出来るようになると保育が楽しくなると教えていただきました。自分のための保育ではなく、子どものための保育をすることが大切、とご自身の体験も合わせてお話しいただき、とても分かりやすくすんなりと頭に入ってきました。また、社会人としての心構えとして、頼まれたことはきちんとやる等、自分にできることをやることの大切さを知りました。

 自分はなぜ保育士になり、これからどういった保育士になりたくて、そのために今何をするのかという、「保育士」としての自分を考えることが出来た1日でした。私は、「子どもが好き」なので保育士になり、これからは「子どもと保護者に共感できる」保育士になっていきたいと再確認しました。私が思う「共感」とは、相手の気持ちに気づき、それを受け止め、一緒に喜んだり悩んだりして前に進んでいくことです。そんな保育士になれるよう、今は自分の仕事をきちんとこなし、子どもたちや保護者との関係を築き、深めていきたいと思います。

 

新任職員研修会
女性保育士  20歳 

 今回の研修では、子どもの午睡や睡眠の大切さの具体的なお話を聞き、現場での経験を照らし合わせる事が出来、睡眠時間の確保に力を入れていきたいと思いました。子どもの目線に立ち、安心して眠れるような環境を考える事が求められるのだと改めて実感しました。しかし、夜の睡眠時間は、保護者側の都合を考えると十分に確保することが難しいことがわかりました。家庭の事情にも配慮していかなければならないのだと感じました。

 菊地先生のお話では、新任だからと自信を持てないと考えるのではなく、新任だからこそ出来ることを見つけることが大切だということでした。私は、今自分に出来ることを考え、精一杯力を注いでいきたいと感じました。遊びに誘い、子どもに“やらないよ”と拒まれた時は引き下がるのではなく、どうしたら遊べるか工夫し、一緒に考えていく事で新しい遊びが生まれるきっかけにもなるので、“前向きに”子ども達と向き合っていきたいです。

 また、保護者の方は保育の様子が見えることで安心するというお話を聞き、日々の保育の様子を伝える為に努力を惜しまないようにしようと思いました。具体的には、連絡帳の記入や受け入れ、お迎えの時間での交流に加え、その日に行った遊びを宿題にすると、遊びを通して保育を伝える方法があることを知ったので、実践していけたらと思います。

 1年間、子ども・保護者・職員の皆さんに自分がどんな人物であるかを知ってもらえるよう、自分から働きかけていきたいです。

わたしたちが考えていること

このコーナーでは保育の中で、日々大泉にじのいろ保育園の職員が考えていることを文章にして載せていきます。

 保育園のJOHO4号の中で“保育現場のエピソード”の内容で、職員から原稿を募集しました。
 職員5名の原稿を掲載します。

 

 

「エピソード記録」
女性保育士(36歳)

 ある日、我が家のカレンダー、精神科医佐々木正美氏の『子育て暦 ことばの森』に
「体の成長には 食物の栄養が 大切なように 
心の成熟には 人間関係が 大切である」
という言葉を読んだ。まさに保育園での日々の生活に当てはまるなと思ったエピソードがある。それは、2歳児クラスの遊具の取り合いで、取り合いの仲裁を子ども同士でしてくれたという場面だった。
 ある日の午睡前の遊び、チェーンを全部使いたいAちゃんと「一個だけちょうだい」というBくん。「ダメ」「1個だけ」「ダメ」「1個だけ」・・・同じ言葉を繰り返すが、声はどんどん大きくなっていった。
 すると側で遊んでいたCちゃんが、「Bくん、欲しいんだって」とAちゃんに言ってくれた。「ダメ!」
 今度は、「今、Aちゃん使っているんだって。後で貸してってきいてみたら?」とBくんに。それでも「ダメ!」
 またまたAちゃんに「Aちゃんがいっぱい使って、ずっと後でならいい?」「ダメ!」。
 私とCちゃんは、「困ったね~。でも仕方ないね・・・」という風に顔を見合わせた瞬間、Aちゃんが「はい」とBくんに1本チェーンを渡していた。「貸してくれたぁ~!!」とBくんのうれしそうな声がクラスに響き渡った。
「あら?」と思っている私をよそに、既に3人は一緒に遊び始めていた。さっきまでの激しい取り合いはなかったかのように。
2歳児クラスの遊具の取り合いは、日常茶飯事。自己主張同士がぶつかり合うので、激しい。「ダメなの!」「欲しい!」「ダメ」「大きい声で言わないで」「言ってない」・・・話の論点がずれていってしまったりしながらも、延々と続く時もある。お互いが言葉でのやりとりができるようになってきたことで、叩いたり噛んだりという行為は減っても、言葉での攻防は激しさを増すばかり。私たち保育士は、毎回のやりとりの中で、お互いの気持ちを言葉にして、受け入れてあげることを繰り返ししてきた。保育士が善悪を決めたり、どちらかの肩をもったりすることはせずに、お互いの気持ちを受け入れてあげる過程が大切という共通認識のもとであれば、解決できなくても構わない。
 2歳児のことを英語では「テリブル・トゥーズterrible twos:魔の二歳児」と表現するが、日本では「困ったちゃん」「頑固ちゃん」とも呼ばれる。2歳児は、自分のやりたいことはわかっているのに、相手の言い分を受け入れるとか、相手の立場を思いやることは全然できない、自己中心的な存在だからだ。
 ここで、自己主張を否定的に捉えられてしまうと、自分の考えや気持ちは表に出してはいけないという意識だけが残ってしまう。乳幼児の自己主張の対応では、その一瞬の現象だけでなく、将来自分の考えや意見を大切にする力の基礎になると思うとその自己主張する姿が大切に思えてくる。最後に、佐々木氏のことばをもうひとつ
 「理想的な 親 理想的な 育児というものはあり得ない 
しかし 理想を求めて努力し続けることが理想的なやり方といえるかもしれない」
この言葉を胸にいつも子どもと接している。

 

「各クラスのエピソード」
女性保育士(28歳)

 ブロックが大好きなAくんは、その日も大型ブロックで長い電車を作っていました。Aくんの隣で私も一緒に長い電車を作っていると、突然、「わー!!」と怒りながら後ろにひっくり返り激しく泣きはじめました。「どうしたの?」と抱きあげて聞くと、「これー!」と作っていた電車を指さし、電車を蹴って手足をバタバタ!電車を見ると、いつもAくんが作っている長い電車が出来あがっています。「電車出来てるけど・・なにか嫌だったの?」と聞くと「違う!!」と訴えてくれたのですが、初めは何が違うのか分からず、「電車じゃなくて車?もっと長くする?ハンドルつける?」など私が思いつくことを聞きながら、実際に作って見せて確認しました。
 でもなかなかAくんは、首を縦にふらず、「違う!」と泣いて怒っています。そこで、Aくんをもう一度ギュウっと抱きしめ「何か違ったんだね、思い通りにいかなくて嫌なんだよね」とAくんの心の中のうまく言葉にできないモヤモヤした気持ちを、私が言葉にして受け止めました。
 すると、さっきまで激しく泣いていたAくんが小さく「うん」とうなずきました。Aくんが落ち着くまで「嫌だったね」と言葉にしながらしばらくそのままでいると、Aくんが「収集車・・」と教えてくれました。
そうなんです!Aくんは、電車ではなく『ゴミ収集車』が作りたかったのです。長い車は自分で作ることができたのですが、ゴミを入れるところが思うように作れずイライラして怒りはじめていたのです。『ゴミ収集車』を作りたいことが分かってからは、Aくんと「こうしよっか」と考えながら一緒に作り、最後はAくんが「収集車!」と納得して遊ぶことができました。
 1歳児期は、自己主張が強くなり自分の思い通りにならないときなど、激しく泣いたり、怒ったりすることで自分の気持ちを表現することがあります。そんな時、しっかり子どもの気持ちと向き合い、子どもの言いたいこと・分かってほしいことを、一生懸命考え、言葉にして受け止めることを大切にしています。子どもの“わかってほしい”という気持ちに添えた時、子どもたちは「分かってもらえた!」という嬉しさを感じ、思い通りにできれば「満足感」を得ることができます。また、大人が気持ちを代弁することで、言葉での表現方法も学んでいきます。この積み重ねをしていくことで、この人は「自分のことを分かってくれる人」と大人の愛を実感し、大人への信頼感が育っていきます。そしてその信頼感が軸にあるからこそ、「自分の気持ちを安心して表現できる」ようになっていきます。これは、この時期にとても大切なことです。
 大人も思い通りにいかない時、イライラしますよね。子どもたちが、一生懸命気持ちを表現している時こそ、しっかり向かい合い子どもたちの心の中に湧き上がる気持ちを言葉にして受け止め、“分かってもらえた”と感じられる体験をこれからも大切にしていきたいと思います。

 

「保育園と一緒に子育てしていきましょう!」
女性保育士(52歳)

 この日は、ガラスにシールを施工する日だったので安全を考え、いつもの部屋ではなく、隣の部屋で食事をすることになりました。食事が終わった順に手、口を拭いたタオルを各自の汚れ物入れにいつも入れているのですが、今回は同じ棚に置く事になりました。
 保育園生活がある程度長い子は理解し片付ける事ができますが、まだ浅い子は、部屋が変わっただけでも戸惑ってしまいます。案の定、どこに入れるのかキョロキョロしている子がいました。保育士が「みんなが置いている棚に置いてね!」と声を掛けますが、目の前の棚に気付かずにいると、食事を終え遊んでいた友達が、「ここだよ、ここに置くの!」と、タオルを取り置いてあげていました。教えてもらった子は、好きな友達が優しくしてくれたので嬉しそうにほほえんで友達を見ていました。
 しばらくして、タオルを置いてくれた友達が、椅子を片付ける様に保育士に呼ばれました。すると、先ほど片付けてもらった子がさーっと駆けてきて、その椅子をテーブルの下に入れ、片付け終わると友達の方を優しいまなざしで見ていました。感情の細かい表現をまだ言葉で伝えることは出来ませんが、その表情には「さっきは片付けてくれてありがとう。今度は僕がしてあげる!」と心で伝えているようでした。
 自分を知り、相手を思いやる心が芽生えている2歳児です。些細な人との関わりが心、言葉を育てると思います。家庭での安心できる関わりがあることによって保育園でも安心して保育士、友達と関われるのではないでしょうか。

 

「子どもたちの成長についてのエピソード」
男性保育士(23歳)
 
 この日は、午睡明けのおやつを食べ終わった子どもたちが部屋に戻ってきて好きな玩具で遊ぶ時間でした。
 いつものように自分の好きな玩具で遊ぼうと思って玩具を探していたA君は、好きな玩具がBちゃんに先に使われているのを見つけました。A君はBちゃんに「貸してー。」と伝えますが、Bちゃんもその玩具が好きなので「だめよー。」と言い返します。しかし、A君はどうしても貸してほしくて何度もBちゃんに「貸して!」と言いますが、Bちゃんも自分が使っていたいので「だめよ!」と言うばかりでした。そこで保育士が間に入り「Bちゃん、A君にも少し貸してあげられるかな?」と話しますが、それでもBちゃんはだめと言いました。保育士自身もA君とBちゃんが何とか納得して楽しく玩具を使えるように、Bちゃんに「じゃあ1つだけだったらいい?」と聞いたり、A君に「Bちゃん今使っていてどうしても駄目みたいだから、Bちゃんが遊び終わったらもう1回貸してって言いに来ようか」など、さまざまな声かけをしました。しかし、お互いが納得することはなく、また「貸して!」「駄目よ!」といったやりとりの繰り返しでした。
 そんなやりとりが何回か続いていた時です。Cちゃんが突然横から出てきて「今はBちゃんが使っているから貸したくないんだよね。」と、まるで保育士のような言い方でBちゃんに話しかけました。するとBちゃんも「うん。」と頷いて少し考えたあと、A君に「はい。」とその玩具を貸してあげたのでした。
 この時期の1歳児は、お友達の存在を知って関わり方を知ろうとする時期であり、言葉も増えてきます。また子どもは、大人と子ども・大人同士・子ども同士のやりとりをよく見ています。今回のエピソードの例では、Cちゃんが普段から保育士のやりとりをよく見ていたために、この言葉が出てきたのだと思います。また、Bちゃん自身もお友達から気持ちをわかってもらえたことにより、自分で考えてA君に貸してあげようという気持ちになったのだと感じました。そのことを考えると、子どもは自分やお友達に対して言っていることをよく理解していて、そうした経験から学んでいるのだと感じました。私はCちゃんの今回の発言とやりとりに子どもの成長を感じ、またこれからも私たち大人が子どもの前でさまざまなやりとりを見せていくことが、子どもたちの成長に繋がるのだと感じました。

 

「エピソード記録」
女性保育士(26歳)

 12月のある日の午後、2歳児うみぐみさんでの出来事です。おやつも終わり、子ども達はパズルやブロック、おままごとなど各々が興味のある遊びを始めていました。
 そのなかでもおままごとコーナーはとても笑い声に満ちていました。最近クラスの子どもたちは、自分の中で膨らませたイメージをお友達と共有する事が出来るようになり、盛んに赤ちゃんごっこを楽しんでいます。別の所から見守っていた私も一緒に遊びたいと思うほどでしたので、当然他の遊びをしていた子どもたちが興味をそそられないはずがありません!他の遊びをしていた子どもたちは、自分が遊んでいたおもちゃを片付けながらも、早くそちらに行きたくてうずうずしている様子で、それが私にも手に取るように伝わってきました。
 こうして、クラスのほとんどの子どもたちがお母さんやお父さん、赤ちゃんになりきっての赤ちゃんごっこが始まりました。「えーん、えーん」とある子が泣き始めると、「はいはい。赤ちゃん、ミルクの時間ですよ。」と、ペットボトルを哺乳瓶に見立てての楽しい授乳タイムがスタート。しかしここでトラブル発生です!!赤ちゃんが1人しかいないところへ、世話焼きお父さんとお母さんがわんさか!みんなが赤ちゃんにミルクをあげたくて、哺乳瓶の取りあいです。
 私はしばらく子どもたちのやりとりを見守ることにしました。
なぜなら、子どもたちは今まで自分の気持ちを大人に代弁されてきた経験から、自分の感情を言葉にして相手に伝えることができるようになってきているからです。
 「わたしが使ってたの!」「ぼくが使ってるの!」
トラブルの当事者は、自分がペットボトルを使いたいという気持ちを主張します。
しかし、このままでは話し合いは平行線。
 そこで私は、一緒に赤ちゃんごっこをしていた周りの子ども達に解決方法を聞いてみることにしました。自分がトラブルの当事者である時は「負けたくない!」という思いも強く、冷静に考えることができなくても、一歩引いた立場から見てみると、経験上こうしたらいいのではないか、ああしたらいいのではないかと相手の立場になって考える力が育ってきている子ども達。
 この時も「あとで貸してって言ったら?」や、「こっちに別のもあるよ。」と色々な提案をしてくれました。するとけんかしていた子どもも冷静になり、「あとで貸して。」と言うことができました。
 相手の子も、友達が引いたことで「いいよ。」と返し、また笑顔で赤ちゃんごっこへと戻っていきました。このように、2歳児の子ども達は、保育者が少し手を貸すだけで、自分たちの力でトラブルを解決することができるようになってきました。
 気持ちを受け止めてもらう。気持ちを代弁してもらう。この日々の小さな出来事の積み重ねが、子ども達の考える力を育てていくという事を改めて感じた出来事でした。
 今後も、子ども達の気持ちを汲み取る保育を大切にしていきたいと思います。  

わたしたちが考えていること

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 保育園の食育だより3号のテーマ「一緒に食べたい人がいる子ども」の中で“楽しかった食事の想い出”の内容で、職員から原稿を募集しました。
 職員2名の原稿を掲載します。

 

 楽しかった食事     
 女性保育士  25歳

 
 楽しかった食事と聞いてすぐに思い出したのは、毎年幼い頃に祖母やいとことお正月におせち料理を食べていたときの出来事です。机の上には普段食べないようなさまざまな料理が並び、おせち料理の食べ物の由来を教えてもらったり、小学校での話をしたりと会話が盛り上がっていました。食事をしている時に祖母が「みんなで食べるとおいしいね。おばあちゃん歯が痛いからいつもはこんなに食べれないけど、みんなでいるとたくさん食べちゃうんだよ。」と笑いながら言ってくれた一言がすごく嬉しかったことを覚えています。

一緒に食事をしている相手が自分と同じ気持ちで食事を楽しんでいる姿を見ることが、幼い私にとってもすごく嬉しいことでした。一緒に食べる人がいるからこそ食事をおいしく感じたり、思い出に残るような楽しい時間空間を味わえるのだと、この時に思いました。大人になった今でも食事の時間が大好きなのは、こういう時間を過ごすことができたからなのかなと思います。

 

 

食事の楽しかった思い出・・・
女性保育士  25

 
 私の実家では、小さい時から「毎週水曜日は鍋の日」と決まっていました。というのは、水曜日には父の好きな水炊きを、私、姉、両親の家族4人で食べるのが習慣になっていたからです。鍋の日には母と肉団子を一緒に作ったり、野菜を切って下ごしらえをしたりと、思春期の頃は面倒と思う日もありましたが、準備を手伝いながら、家族で父の帰りを待っていました。そして食事が始まると「お肉を何枚食べた」だの、「私の牡蠣がどこかになくなった」等、具を取り合いながらも色々な会話をし、笑顔で食べていたのを覚えています。真夏の暑い日にも汗をかきながら食べる鍋は、さすがに嫌だと思う事もありましたが、気が付くと今では鍋が母の思い出の味になっています。それから数年経ち私は実家を出て、水炊き鍋の味が懐かしくなり、自分でも作るようになりました。入れるものは覚えていたので、ほぼ母の味を再現できたのですが、いざ食べてみると‥何かが物足りない感じがしました。自分の好きな物を好きなだけ食べられるのが嬉しいような半面、取り合いをする相手もおらず、賑やかな会話もないことが妙に寂しく感じられ、家族で食べ物を争奪しながらも関わり合いながらわいわい楽しんで食べたことが、鍋を「おいしい」と感じる要素の一つであったことに気がつきました。「食事はからだの栄養だけでなく、こころの栄養である」ということを実感した瞬間でした。「孤食」という言葉がある時代ですが、保育園でも子どもたちが笑顔や楽しい雰囲気を通して、より食事が「おいしい」と感じられるように、楽しい食事の時間を心がけていきたいと感じています。

わたしたちが考えていること

このコーナーでは保育の中で、日々大泉にじのいろ保育園の職員が考えていることを文章にして載せていきます。

今回は「父親の子育て 保育園・保育士への期待 ~安藤哲也さんインタビュー」~を読んで、3名の保育士の文章です。

 

 父親の子育て 保育園・保育士への期待   
男性保育士  27歳

私が初めて安藤さんにお会いしたのは昨年の当園での子育て講座でした。「ファザーリング・ジャパン」という名称にとても興味を持ち、早速インターネットで調べたことを覚えています。この記事の中で、安藤さんは「父親が子育てを楽しむことで、それが自分の人間的成長にもつながることに気がついて欲しい」「保育園が自分を成長させてくれた」とおっしゃっていますが、私もその点に共感しました。子育てに参加したり保育園と連携する事は忙しい日常生活において面倒な営みに見えますが、子どもへの思いを共有して大人達が協力することで、子どもと一緒に大人も成長できると思うからです。

現在は、女性の社会進出が当たり前となり、父親の育児参加が増えてきました。男女が互いに人権を尊重しつつ能力を十分に発揮できることを目指した男女共同参画社会基本法が制定され10年が経ち、地域にもその考えが根付いてきたように感じています。このような社会背景のもと、父親ももっと子育てを楽しみながら共に成長して欲しいと社会に働きかけるためには、日々お子さんを通して親御さんとの関わりの深い保育園・保育士の役割は非常に重要であると考えています。

保育園の役割のひとつとして、「保護者に対する支援」が保育所保育指針の中で掲げられています。家庭環境は複雑化し、それに伴い子どもたちの抱える問題も様々なものがあります。その問題に対応するためにはまず、保育園が子どもにとって安心できる場所でなければいけません。つまり安藤さんが繰り返しおっしゃっているように、子どもを中心にして、そして子どもにとって最善なことは何かということを保育園と保護者の双方が互いを尊重しながら考えていける関係が、よりよい子育て環境につながっていくのではないでしょうか。

現在、当園でもお子さんの送迎はもちろん、親子参加行事、懇談会、個人面談、子育て講座、保育士体験など、父親が保育園の中で活躍する場は沢山あり、実際にクラスで保護者の方と関わりを持つ立場として私も嬉しく思っています。以前、懇談会の中でお子さんのことについてご両親からそれぞれ意見をいただいたことがありました。その中で、あるご家庭のお父さんが、お子さんは、お母さんの時とは違い自分とはこういう遊びを通して関わりを持ったり会話をすることが多いということ、またお子さんのこの部分が素敵だと思うから夫婦共に大切にしていきたいと思っている、というお話をして下さいました。このお話から、ご家庭の中でのお父さんの役割が明確になっていて、お子さんを中心に生活する、という思いを感じ取ることができました。この例のように、父親の立場から我が子のことを見つめ、今この子のために何ができるかということを考えていくことが、「子育てを楽しむ瞬間」を沢山作ってくれるのでしょう。そしてその姿には、子どもに対しても自分に対しても前向きな姿勢が感じられて、お子さんの成長を共に見守る者としてとても嬉しく、また勉強にもなりました。

私自身、独身で子育ての経験がないので、将来の仕事と子育ての両立については、期待と共に不安も抱えているのが現状です。私は両親の仕事の影響で、幼い頃から子どもと触れ合う機会がたくさんありました。学生になったときも、子どもと遊びながら「どうしてこの子はいまこう動いたのだろう」「この子はいま何を感じていたのだろうか」と疑問を持つ場面がいくつもあり、保育への好奇心は高まる一方でした。男性保育士が活躍している現場で働いてみたいという思いで、この大泉にじのいろ保育園を希望しましたが、男性保育士の働き方だけでなく父親が育児参加する様子も垣間見ることができました。そのなかで、育児は父親と母親、そして家庭と地域(社会)全てがつながり、協力して行うことが子どものために一番大切であるということを改めて実感しています。今後も保育園という女性が多い職場に男性が存在し父性を発揮すると共に、後輩の男性保育士を育て、そして父親が「あ、育児ってこんなに楽しくてやりがいがあるんだ」と思える瞬間や感動を共有していきたいと思います。

  

 

男性が子育てする意味を考える
男性保育士 30

毎日当たり前の様に子どもと共に過ごし、保育士として職務にあたる私は、育児の場面において特に‘男性だから…’と、日常的に意識することはありませんでした。それが、ある時NPO法人ファザーリング・ジャパン代表で当園の子育て講座の講師でもある安藤哲也さんへのインタビューの記事を読み、男性が父親としてどの様に子育てに参加するのか、また私が保育士になった経緯から男性の子育てへの関わりについて改めて考えました。

男性の子育てと言っても、父親として、また地域の一員として等色々な関わり方があります。私自身は、世の中には女性、男性がいて、どの職場でもそうであるように、保育園においても男性・女性がいるのが当然のことと思い、保育士の資格を取得し、保育園に就職しました。就職して数年経ち、当園に男性保育士が多いことは子ども達にも良い影響を与えていると感じています。

ただ、一般的には、男性の子育てへの参加は今こそ当たり前になってきていますが、潜在的にまだまだ女性と同様にという社会ではないように思います。私は父親ではなく、仕事として子育てに関わっていますが、私自身も‘男は仕事’と考える部分もあって、もし自分の子がいたら…と考えると、そこまで積極的に子育てするのかどうか、と疑問が残ります。

それは実際に父親になって初めて分かることで、考え方も変わるのかもしれません。ただ、今言えるのは女性・男性を問わず、色々な人間の中で、多くの大人に子どもが愛され育まれることは幸せだということです。様々な人との関わりによって、子ども自身の人間性に幅ができて、生きていく上で必要な自尊心を様々な形で育てられることになるからです。多くの人の愛を子ども達が感じ、自分自身が認められ、自信が持て自分を大切にすることにつながっていきます。今後私は保育士として一人でも多くの人に積極的に子どもに興味を持ってもらい、もっと子育てに参加してもらう世の中になるように、保護者の方、また地域の方などに沢山の子どもへの愛、想いを伝えていき、一人ひとりの子育てに携わっていきたいと思います。

 

父親の子育て 保育士・保育園への期待
男性保育士 34歳

私が保育士(勤め始めた当時は保母・保父が正式名称であった)として勤め始めた頃は、保育園にとって男性はまだまだ珍しく、男性だからという理由で就職を断られてしまうような時代であり、男性保育士としては先駆け的存在でもあった。その事からも分かる事であろう、14年ほど前は男性が育児に参加するという事が稀な時代でもあったと言っても過言ではない。保育士として勤めるようになり、園内の様子を見ていても、お父さんの送迎などは少ない状況もあり、母親が育児を行う事が当然の時代であった。

ところが、私が勤め始めて、5~6年後くらいから、夫婦内での育児の役割を分担するというご家庭を目にするようになり、(勿論、子どもが多い家庭では当然であったのかも知れないのですが)時代背景の変化も大きく作用し、子育ては母性だけでなく、父性も必要という考えが伝えられるようになっていった。また、男性保育士の増加が新聞・メディアなどでも取りあげられるようにもなり始め、保育園の現場にいてもお父さんの育児参加が少しづつではあるが増えてきているのを感じられるようになっていた。私の周囲の知人・友達の子育て経験を聴いた中でも、夫婦間での合意から役割分担を行い、子育てを共に行う姿が見られるようになっていった。その背景には、女性の社会進出や、日本の経済事情から夫婦共に働かなければ、家計が成り立たなくなったという事情があるからこその社会現象であると認識している。安藤先生も、父親・母親のワークバランスが必要となってきているとおっしゃっている。

共働きをしないと家計が成り立たないと同時に、女性が自らの意思で働き続けたいという現状に応じて、今まで育児を母親に任せてきた父親の意識も変わってきたのであろう。男性が育児参加をするようになり始めの頃は、父親が実際に子どもとどのように関わったら良いか分からない難しさも大きかったのではないかと感じる。安藤先生自身も「保育園の方に育てられた。保育園の行事参加で楽しさを感じた」と回想されているが、保育園でも戸惑われているお父さん方が見受けられる。

これから益々経済事情も厳しくなって育児の協力を強いられてくるであろう中で、安藤先生もおっしゃるように育児に慣れていないお父さん達には、保育園の行事参加や送迎をきっかけに他の子どもの姿を見る事で発達を感じたり、保育士だけでなく保護者同士の会話などから情報を得る事で育児の楽しさや安心を得られると思うので、是非保育園を活用して欲しい。

また、保育園の行事参加を通して成長するのは親ばかりではない。お父さんお母さんの真剣な姿が子ども達の成長に大きな役割を示すものであり、また沢山の子どもに笑顔を生み出す事が出来ると思う。保護者の(特にお父さんの)育児参加は子どもにとって大きな役割を担っていると思うので、是非沢山のお父さんが育児に積極的になってほしい。私が子どもの頃、運動会といった大きな行事の場で、父親が行事で活躍する姿が印象に残っており、嬉しさや憧れとして記憶に残っている。子ども達は、父親の背中を見てその生きざまを真似して行くとも言われているように、父親をモデルとして成長していく。父親が子ども達に何をもたらし、何を体験させたいかで子育て論、子育て観は違ってくるが、保育士として子育てに従事する者として、私自身が大切にしている事がある。それは、いかに、自分自身が楽しんで生きているか、楽しみを持っているかという事で、それが子どもと関わる中でとても大切な要因だと思っている。

巷では、「育メン」といったブームも起こっているようだが、先生もおっしゃっているように、ブームはいつかは消え去るもの。ブームではなく日本の子育て環境に父親が参加する事が必然になるよう、保育士としても父親の育児参加を勧めていきたい。その為には何が出来るかという事を考えると、私自身子育て経験が無いのだが、育児経験のある男性が集まり、共有できる場を保育園が提供していく事が大切だと思うし、そうした事からすこしづつ日本の育児環境を変えていける事が望ましいと考える。その中で、今後子ども達に豊かな大人との関わりをもたらしていけたら、素晴らしいと思う。