まだ話せない1歳児にとって、集団生活の意義は?

まだ話せない1歳児にとっての集団生活には、どんな意義があるのでしょうか?
1歳児でも言葉ではないお友達との関係が着実に築かれています。

1歳児と聞くとまだまだ赤ちゃんで、言葉を理解しきれていないために「人とコミュニケーションを図ることは難しい」と思われている方は多いのではないでしょうか。けれど、赤ちゃん同士、言葉が話せない小さなお子さんは、「一緒に遊ぼう」なんて言わなくても、ごく自然に心を通わせることができるのです。

4月に入園し、後半期にもなると、同じクラスのお友だちの存在は理解し、お互いが気になる存在として、近くで遊ぶようになってきます。
ある日、1歳後半の2人の女の子が絵本コーナーで絵本を手にとっていました。一人はお気に入りの絵本をひらき、絵を見ながら「〇△◇・・・」と喃語を話しています。(セリフを思い出して話しているのでしょう。)もう一方の子はそんなお友だちの姿を見て、行動を真似するように絵本をひらいて読んでみています。一人がふと絵本の「いないいないばあ」を手に取ると、わらべうたを口ずさみ始めました。もう一人は唄う子の顔をそっとのぞき込み、ふたりは目が合い、まるで「たのしいね」と言っているかのように「ふふふ」と微笑み合いました。

この年齢でも、言葉はなくても、心を通わせるという人と人とのあたたかなコミュニケーションを感じ合えることが分かる一場面でした。赤ちゃん時代から「大人と子ども」の関係性だけでなく、同世代の「子どもと子ども」の社会性の輪を広げていけるのですね。

T.M保育士

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