家庭支援に繋がる食育へ

お米とぎ

子どもたちの好奇心に寄り添った体験を大切に

若水会の給食では、旬の食材とともに、園庭や外の畑で育てた自然の恵みも取り入れています。子どもたちの好奇心に添って保育士・調理師・栄養士が一緒に考え体験することを大切にしています。毎年、各クラスの野菜栽培から始まり収穫、触れる、洗う、皮をむく、ほぐす他、果実を子どもたちと収穫しています。そうしたものをハチミツのシロップ漬けや梅干し、干し柿にし、実りを楽しむことも 伝えたいと日頃から思っています。

今でも心に残る思い出

私は、食育活動を重ねるうちに、子どもたちに生活につながる経験を知ってもらいたいと考える様になりました。というのも小学校に通うようになって間もない6、7歳のころ、今でも心に残る思い出があるからです。海・山が身近にあり豊かな食環境の中で育った両親は、食事を大切にしていました。朝は、トントントンと台所で食事の支度をする音やだしの香りで目を覚ますと、きまって寝床で、今日の献立は何だろう?と想像をめぐらしていました。

私にとって台所は大好きな場所でもあったので、両親のかたわらでお手伝いをするのが楽しみでした。そんな生活の中で、ご飯を炊くことを覚えた私は、包丁も火も使うことなく、ごはんができるなんて!と嬉しくてたまりませんでした。そのうち塩や鰹節で味をつけ、のりや納豆、卵を冷蔵庫に常備してもらうと火を使うことなく食事ができるようになりました。共働きの両親の帰りを妹たちと留守番をして過ごすこともあったので、両親は、お腹を満たして待つ知恵をつけた私たちに「生きる力」を感じ、安心して家路につくことができたそうです。

お米とぎの活動をきっかけに広がる関心

そんな思い出を話題にあげるうちに、家庭でも継続してできる食育の取り組みについて保育士と話すようになりました。卒園を迎える頃には、自分でご飯を炊けたらいいね。と、今年度の4月から5歳児クラスでは、お当番さんのお手伝いの一つに、クラス分のお米とぎの活動を始めました。回数を重ねるごとにコツをつかみ、手際が良くなり昼食時には、お友だちからの「ごはん、美味しいね。」の声に照れながらも、誇らし気です。お家でも試してみてね。と声をかけると「家でもお米とぎしているよ。」と教えてくれる子どもたちもいます。お米とぎをきっかけに、食への関心が広がっているように思います。出来ることが増え自信がつき、お友だちと喜びあう心が育まれていることが、何より嬉しいです。子どもたちのやってみたい、知りたい気持ちに添いながら私たち職員は、子どもたちの成長を見守り、家庭支援につながる食育活動を今後も取り組んでいこうと思います。

 

令和4年11月11日
S.A栄養士