遊び場で‥他の子に噛み付いたりおもちゃを奪ったり、気疲れします。

遊び場に行くと、他のお子さんに噛み付いたりおもちゃを奪ったりして、止めたり謝ったりで気疲れします。
他のお子さんと関わり方を学ぶ機会と捉え、辛抱づよく見守ってあげて下さい。

自由に歩けるようになると、お子さんの世界も広がっていきますね。親子で公園やひろばなどに出かけた際、他の子の後を追ってみたり、まねっこして遊んでみるなど、親から少し離れて遊ぶようになると、「やっと、離れてくれた」とホッと一息つけることもあるのではないでしょうか。

でも、「キャッキャ」と楽しそうに遊んでいると思ったら、「ギャー」と泣き声がして、おもちゃの取り合いになっていることはよくあります。そうすると、もう子どもの側から離れられなくなり、「公園へ行くとかえって気疲れしてしまった」という話もよく聞きます。保育園入園前の保護者の方からも、「集団生活に入って、お友だちに何かしてしまわないか心配です」という声も聞いています。

特に、初めて保育園に入ったお子さんや一人っ子のお子さんは、同じくらいの年齢のお友だちがいる集団生活の経験が少ないため、なかなか自分の思い通りにいかないものです。でもそれは相手が嫌いだとか、悪いことをしているわけではなく、ただ関わり方が分からないだけなのです。

2歳児クラスの初め、新入園児の女の子はお友だちが使っているものが欲しくて、つい手が出てしまいがちでした。おもちゃではなくお友だちが遊んでいるものに魅力を感じるのです。その都度、大人が「貸して」と言葉を添えて伝えるようにしていました。もちろん、お友だちも遊んでいる最中なのでほとんどの場合貸してもらえず、その子は、悔しくて泣くことが多くありました。しかしある時、女の子が遊んでいるとお友だちのところへ行って「あとでかしてねー」と伝えていたのです。これまで、大人が代弁していた日々の積み重ねの中で、お友だちへの関わり方が身についていったのです。

言葉が増え、関わり方がわかってくれば噛みつきやひっかきも自然と減っていきます。大好きな友達だからこそ、トラブルも多いものですが、この時期の子ども同士のかかわりを辛抱強く見守ってあげると、幼児期にはお互いに「支え合う仲間」になっていくものです。子ども同士の関わりでしか学べないことがあるのですね。

親御さんには、集団生活での「葛藤」を通じて育つ子どもたちの姿を心配しすぎずに見守って頂きたいと思っています。

Y.A保育士

一覧ページにもどる