- 子どもと遊び場に行くと、お友だちに急に手を出そうとして困ります。どう対応したらいでしょうか？
- まだ善悪で判断できない年齢なので、叱らない対応を。
このような場面に出くわした時、つい大人目線で「ダメでしょ！」と反射的に叱ってしまうことがよくあるかと思います。
１歳前後の時期はまだ善悪の判断がわかりません。急にお友だちの姿をじっと見ていたかと思ったら近づいて髪の毛を引っ張ったり、強い力で顔に触れたりする姿は自然なことであり、故意ではありません。お友だちの存在に気付き、相手に関心を持つようになったという1つの成長の現れでもあります。
保育園では、まず「○○ちゃんのことが好きなのね。」とその子の思いを受け止めます。「でもびっくりしちゃうから、そーっと、優しくね。」と穏やかな口調で（ここが大切なポイントです）話しかけ、保育士が一緒に手を添えながらお友だちの頭を“よしよし”してみることを繰り返します。すると、自然と力加減も体感で理解していき、お友だちとの関わり方を知っていきます。このような関わりを積み重ね、大人がそばにいなくても相手に優しくスキンシップをとることが出来るようになった子どもの姿を、私は保育の中で何人も見てきました。
一見困ったように感じる子どもの行動には意味があります。それを成長の証なのだと前向きに捉えることでお子さんのどんな姿もかわいく見えてくるでしょう。今この子はどんな思いなのかをくみ取り、その思いを大人が言葉にして受け止めてから、子どもの視点に立った声掛けや対応を大切にしていきたいものですね。
Ｏ.Ａ保育士