学びと成長の20年
練馬区より大泉町6丁目の「保育園運営法人募集」の通知が届いたのは、平成13年のことでした。
創設園である是政つくしんぼ保育園(現にじのいろ保育園)は開園からすでに17年、念願であった4,5歳児保育を実現してからは3年が経っていました。全国私立保育園連盟に加入後、様々な研修に積極的に参加をし、中でも「保育カウンセラー養成講座」では半数以上の職員が学んでいました。育児雑誌の取材を受ける程に保育も充実し始めていました。しかし、周囲からはいまだに小規模の保育園と見なされており、職員もより大規模の保育園を希望するようになっていました。
そこで上記のプロポーザルには迷うことなく応募し、12法人と大変な競争率であったにも関わらず、私たちの法人が選ばれたのでした。
大泉にじのいろ保育園園舎建設、60名もの来賓を迎えた開園式、職員採用へと進み、万事順調に進んでいる、はずでした。ところが、4月1日が始まると続々と難問が噴出します。まずは園長が早々に退職をしました。加えて12月から分園を運営するよう練馬区から強い要請があり、高石理事長(当時)は、私に府中市から練馬区への転勤を命じたのです。そのため、9年間つとめた全国私立保育園連盟の育児カウンセラー養成講座の企画委員の役も降りて、その年の7月1日より、大きな覚悟をもって大泉での勤務を開始しました。
複数園の経営に決定的に欠落している分野があるということに気づいてからは、高石理事長の指導のもと「リーダーシップ育成塾」と名付けた勉強会を3年に渡り続けました。大泉のランチルームでの学習は、まるで学校の授業のようでした。保育カウンセリングから経営マネジメントへと分野を広げていくうちに、経営への苦手意識を抱いていた若い頃の自分を恥ずかしく思い返し、職員と共にあらたな学びを重ねていきました。
幸いにも現在の大泉にじのいろ保育園にはこうした学びの風潮が引き継がれ、現在の主任・園長を中心に大変細やかに研修を行っているようです。私自身は退職をし、現場からは離れたことで、時折見かける職員の方々の成長ぶりにはいつも驚かされています。
開園当初の大泉にじのいろ保育園は「地域の皆さんに愛される保育園」を目指していました。今では皆さんのおかげで「地域の皆さんに頼られる保育園」へと成長しています。このことを私は大変誇らしく、感謝を込めて見守っています。
令和5年8月
社会福祉法人若水会
顧問 西野和子